クリームシチュー

10月に訪問医から言われたことは
「心配しすぎることはないけれど、このお年ですから、いつ何があってもおかしくはないんです。」

その通りに階段をかけおりるように母の様子は変化して来た。

帰宅して、満面の笑みでクリームシチューをほおばった母、
私に良い思い出をくれた。

高熱を出す少し前から、母は食事を取らなくなった。
無理に食べさせてもいけないとはおもいつつ、私の不安から
ときどき無理強いしてみたけど、
あまりうまくは行かなかった。

クリームシチューは私が生まれてはじめて作った料理。
母が具合が悪く(おそらく低血圧かなあ)
寝ている母に今日は私がご飯を作ると言ってみた。
そしたら、母が、じゃあ、おかあさんが言うから
その通りにやってみてって。
母の前掛けをして、ちょっと恐かったけど、じゃがいもの皮をむき、
にんじんをきり、鶏肉をぞーっとしながら、切った。
母が寝ているところから大きな声で気をつけてって言ってた。
牛乳とバターでホワイトクリームを作った。
ちょっとだまだまになったけど、母の言う通りにして直った。
母が布団の上に起き上がって、おいしい、と言ってくれた。
10才のときのこと。。


今日初めて母が、具合のわるいところをきちんと話した。

「先生にどこがどういう風に具合が悪いのか伝えなくちゃ行けないから
教えて」

左の脇腹を押さえて、
「ここが痛い」と母が言った。

今日は水もお茶もエンシュアも拒否。

「おしっこでなくなるよ」といいながら、やっと20cc。
その繰り返し。

ちょっと言ってみた。

「おかあさん、元気になって小山に買い物に行かなくちゃ〜」

目を閉じていた母が、ラフランスのカンズメだけど、二切れ食べた。
あんぱんのあんこだけを食べた。
おかゆをふたさじ食べた。

食後に初めて、オキシコンチンを飲んだ。

効くだろうか。
痛みがすこしでも和らいで眠れるだろうか。

眠ったまま去って行くかもしれない母。

最後のあがきをしているのは私のほうかもしれない。

私のクリームシチュー、もういちど食べてもらおう。


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by ygracia | 2012-01-06 20:38 | 母の記録


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