逃亡

こどもたちにも言われ始めた。

「こらから365日、こういう状態が続くんだから、おかあさん、
完璧なんて無理だよ。手を抜いて自分のこと考えなくちゃ。」

夫までが「よくやってるよ。完璧なんて無理だよ、どうにもならないんだから
だめなときはほっていいんだよ」

母が「てっちゃん、てっちゃん」と言うたびに泣きたくなる。
「てっちゃんじゃないってば!」
「あら、としこだ」
「としこじゃないってば、」
「ひでこ」
「ひでこじゃないってば」
「あら、だれだろうね」
そして、知らん顔。よその人だ。

今日は、ヘルパーさんも時間超過になってしまい、お疲れみたいだった。
こどもたちにいわれて、私はきょうから体操教室へ復活。
母はどこへいくとうるさかったが、出かける寸前にトイレへつれていった。
これでヘルパーさんが来る時間まで持つはずだ。
ところが、私がお使い等して帰宅すると、ヘルパーさんが飛んできた。
「ポータブルトイレがおいてあったんですけど、あれ使っていいんですか?」
父を誘導して母がベット脇にもってこさせたのだ。
あげくのはてに、冷蔵庫に果物かなにかあるかとヘルパーさんに言い
ジュースを見つけてもらい出させていた。
うっかりして、糖尿病が悪くて、食事制限のことを伝えていなかった。
私と話していると、母が奥から叫んでいた、早くトイレ、おねがいします、って。

父はなんだか妄想がはげしい。
すべての行動を昔の仕事関連に結び付けている。
「つめきりは?」
「夜中に無意識に触るから、私が預かってる」
「そうか」
母が「つめきりもってきて、おとうさん」
「爪切りは矢内さん(昔の仕事仲間)がいるっていうのでもっていったそうだ、
だから今はない」
母「????」

父の使っていたつめきりはおしゃれすぎて滑ってしまうので
うちのつめきりの3個をもっていってどれがいいか決めさせた。
水色の一番軽くて使いやすいのを選んだ。
「じゃ、私が持ってるからいるとき言ってね。」
父が紙を持ってついてくる。
「これで確かめてくれ」
「?」
「ここを止めてみてくれ」
「ホッチキスじゃないのよ」
「止めてくれ」
「これは爪きり」

今日はとつぜん、夕飯のまえに主の祈りをはじめた。
父は幼児洗礼のカトリック信者。
元気なときはかかさず、土曜のミサに行っていた。
夕飯のまえのお祈りなんて私のこどもたちが小さかったころいらい
聞いていない。10年はたっている。
教会へ連れて行こうとおもいながら、母の骨折やらで私はのびていた。
昨年のクリスマスもそう。
今年は父とクリスマスに行こう、そしてできるとおもっていたのに
母の脳梗塞。

父は2階で私たちと食事するのが好きだ。
しかし母が帰ってきてなにも話さない母とあっちとこっちをみて食事している。
さぞかしつまらないだろうな。

昨日はというか今朝は3時40分に母のコールでトイレさせにいくと
父までがおきだした。
放尿が始まっているのでベット脇にぴったりポータブルをおいたが
どかす可能性が高い。
母をトイレにおき、速攻逃亡寸前の父をつかまえポータブルにすわらせる。
母を連れて帰ってくると父がハンケツ状態でベットへ。
母をまたせて、父をなおしてねかせ、
母をベットへ。
母は何の感動もしめさず、ベットにはいると私にうるさいといい、
すぐにすやすや。

こんな毎日なのだ。
by ygracia | 2005-01-31 21:52 | 今日のお話

老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


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