痴呆とは

好んで痴呆になったわけでもなく、好きで脳梗塞起こしたわけでもなく、
父の悲しみ、母の悔しさが時折溢れることがある。

これは家族で介護しているものにしかわからない、人間の大きな悲しみのような・・
切なさのような・・・

父が涙をためて、スポーツシャツをじっとながめ、袖から頭を入れようと必死になっていた。
入れ歯をよその人に渡したというのでこれなに?と口のなかの歯をたたくと、黙った。
ソファにすわり、膝に手をおき、じっと考え込む父。
新聞を読もうとする父、広告のちらししか見ない。
言われる前に顔を洗うといいながら、洗面所のまえで固まる。
蛇口をひねることを忘れたのだ。

グループホームには行きたくない、という父の必死の努力なのだ。

布団にはいって、涙を流すこともある。

母はときどき、くやしいと言う。
そそうをしてくやしいと言う。

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私だって、どこにもいかせたくない。
人手のたりない施設の中で濡れたパッドに我慢する親など見たくない、知りたくない。
お風呂の大好きな父が一週間に1回しかお風呂にはいれないなんて許せない。

介護は結局は自己満足でしかない。
私がヒステリー起こせるのも、実の両親だからで、
「何、キーキーやってんの?」と母に一言言われて、それで済む。

ま、家族は大迷惑かもしれないが。
昨日は夫とワインを飲んで、DVDを見て、休んだ。

父は今朝から必死でひとりで服を着て、庭のチェックまでして
デイにでかけた。
「ほんとは、祝日なのに、休みないのか」と言いつつ、バスに乗った。
父なりにがんばってるのだ。

私もキーキーいいながらがんばってるのだ。
by ygracia | 2005-05-03 12:21 | 今日のお話

老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


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