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老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
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母の電話

「しまちゃん」から電話が来たので、朝食中の母に
「アスパラガスのお礼言ってね」
といい、受話器をわたした。

脳梗塞の入院中以来の電話。
はたしてうまく行くか。

聞こえないのに「アスパラガス送ってくれてありがとう」
と一本調子でいう。
「もしもし」
相手の声が聞こえないので
スピーカーにしてみた。
おばさんの声もまる聞こえだけど、しかたない。

なかよし「げんきかい」
母「げんきにやってます」
なかよし「声はまえより、げんきそうだね」
「・・・・そうかい」
やはり会話ができない。
なんていえばいいのかわからないようだ。

そして母が昔の母ではないことがわかったのは、
電話がすんだあと、まるでなにごともなかったかのように
またパンをかじりだしたこと。

いちばんの仲良しもきっと何かを感じたことだろう。

電話大好きだった母がお友達の声になにか反応するかなと期待したが、やはり
壊れた細胞は完全に再生不能だった。
脳梗塞のあと、先生にも言われたことなのに、何を期待したんだろう、私は。
by ygracia | 2005-06-29 13:16 | 今日のお話