父入院中3

入院5日目、今日の父はすこぶる元気。
寝飽きた様子で何回も起き上がろうとする。
自分でたつから、どけと私に言う。
そのたびに、なぜ入院したのか説明し、安静にするよういうと、
ベットのうえに足をなげだしすわり、こたつのように布団をひっぱり、
白い壁をはじからはじまで見渡す。
これを何回繰り返しただろう。

途中、許可をもらい、車椅子で食堂へ。
外をみながら、建築ラッシュだねといい、コーヒーをウマいといって飲む(ナースに内緒)
すると、「すどぅきで△▼※だよ」という?
「すずきえいざぶろうがきてるんだよ、ここに」と点滴のスタンドを指差す。
だれなのかきくと、本省の部下だよ、課長だと言う。
それでなぜかにこにこしてる。
ほんとに来てるかも知れないなと思った。

何回目かのおきだしのときに、先生方がやってきた。
「すごいな、回復してるね~」
「すごいでしょう」(担当医)
手持ちのキーで父の足の裏をおすと、父はこんなにうごけるの、こんなに
口がはっきりするのとおもうくらい、「いたたた、いたた、いたい、いたい」
と手足をうごかした。
それでもその反応は「微妙」だそうだ、
よくわからない。
もっと早く来ればよかったのにといわれたけど、聞き流した。

夕方は白い壁のなかから、「コイズミ」が現れたらしい。
これも部下だ。
あとで娘に話すと、「きっとおじいちゃんを励ましにきてるのよ」と言う。
そう信じよう。

きょうは昼前からつきあって、ずっと観察してたけど、ねちゃったかな
とおもうと、薄目をあけ、病室をみまわし、不安な表情をするので
「お父さん」というと、私の声をおい、確認するとまた安心したように
眠る。
昼食のときは自分がすんだあと、「おまえのごはんはだれがもってくるのだ」
といったので「もうたべた」とうそをいった。

目をはなすと起きだすのでトイレにいくのも容易じゃなくて、
売店にもいけず、私は昼抜き。水とガムだけですごしちゃった。
おにぎりもってこうっと。

父は入れ歯があわなくなり、歯茎だけで食べる。
でも刻んだものの大きさによって、飲み込めない。
きょうから離乳食のすり鉢持参。
うちの子たちに使ってた、アメリカ式のミルがいいのに、売ってなかった。
銀座にいかないとだめか。

ま、父はすこぶる元気。
そして、9月9日、きょうは私の誕生日。
家族はそれぞれ忙しく、何にもなし。
一人でビールで乾杯。
産んでくれた母には心のなかで「ごめん」
by ygracia | 2005-09-10 07:43 | 今日のお話

老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


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