父入院中4 (幻視)

今日の父はあまり変わりない。
ただ目がはっきりしない。
調子のいいときのように、ぴっとあいてはいない。

食事がとろみ食になっていた。
朝食でブロッコリーをひっかけて、窒息するとこだったという。
しかし、あまりにも味気ないので看護師にいうと、
「娘さんが介助されるときはきっと、だいじょうぶだとおもうのですが、
病院では人が変わるので、上手なひとも下手な人いて娘さんのように
うまく食べさせられない場合もあるから、まず、安全性を第一に考えて
ペースト状にかえました。」
ナースマンはこちらの気持ちがわかるらしく、丁寧に説明してくれた。

味気ないものの、味はいいので父はぺろっと完食した。
夕ご飯はさすがに、目にはいってくるものがなんか絵の具みたいらしく
(私にはそうみえる)途中でやめてしまうので、なんとか
はい、酢の物、はいごはん、はい、野菜の煮物と解説しながら
スプーンで食べさせた。

私がもっていった、離乳食用のすり鉢もいらなくなっちゃった。
ただ、赤ちゃん用スプーンが介護用スプーンより父の口に
ぴったりでこれは発見でよかった。
口を大きくあけない父にすっと入れられる。
父も食べやすいようだ。
食事の時間ですというと、父は目をあけ、準備して
自分で食べだすのだが、やはり途中でめんどうになるみたいだ。
点滴にならないように、とにかくがんばって通ってたべさせなくては。

朝いくと父はベットがたいらになっていてそっくりかえっていた。
手袋もベルトもしてるから、動きもできない。
どうもオムツをかえるときに平らにしてそのままいっちゃうらしい。
猫背の父は、ベットをあげてあげると、大きくため息ついた。

今日のせん妄は同業者のS建設の部長さん。
「さむいんじゃないか」
「なんていう名前?」
「名前は忘れた」
「さむいんだよ」
「コート着てないの?」
「着てないよ」
「だいじょうぶだよ、もうすぐあったかくなるから」
「そうか」
そのほか、いっぱい部下がきてたらしい。

いつものように2時過ぎにおきて、食堂にいき、カフェオレをのみ
牛乳がいい(これは自動販売機でみたのでそれでらしい)というので
牛乳を一口のみ、部屋へもどった。

壁を見渡すので誰かいるときくとだれもいないよという。
一生懸命わたしのハンドタオルを折っているので、
あした、折り紙もってこようかというと、なんかぶつぶつ言ってた。
そのあと、ノートとボールペンでなにかかいて、本とちらっとのぞいて、
お遊びタイムがおわり、眠った。

家に帰ると、夫と息子がお寿司をかって待っていた。
息子と私の誕生日に乾杯。
息子ははたちというのに、なんにもお祝いできず、当日好物のスパゲティミートソースを
作ってあげていた。
ま、来年の受験のあとに盛大にやろうということになった。
娘はいま、金沢で美術館探訪中。
by ygracia | 2005-09-11 08:43 | 幻視


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