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老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
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介護とは

介護ってなんなんだろうって考えている。

よくテレビでみる光景、
大勢の家族の食卓にちっちゃい、ばあちゃんもいて、もくもくと
食べている。
こぼせば、隣にすわっている、嫁さんか娘か、息子がそれをひろう。
おかずを口にはこんでやって、首にはタオルでよだれかけだ。
みんな、ばあちゃんの存在をふつうに受け止め、
むせて飛んだごはんつぶも気にしない。
わいわいと食事がすすむ、日常の光景なんだ。

寝たきりのじいちゃんのベットが奥に見えていて、
こちらでは嫁さんとばあちゃんがお茶を飲んでいる。
訪問看護師がやってきて、じいちゃんに問いかける。
孫ものぞく、みんなでのぞきこむ。庭の犬も網戸ごしにのぞいている。
日常の風景なんだ。

うちはというと、1階のワンルームにふたつの介護ベット。
部屋にはいって正面に母。右奥に父。
それぞれのテレビ。
それぞれの車椅子。
ポータブルトイレ、父用。
なんとなくタンス。
壁には前ローマ法王の写真、母の知り合いの司祭の写真。
母の作った皮細工の絵画。
ねこたち。
でも囲む家族はいない。
会話のない、ねているだけの二人。

こどもたちにもそれぞれの生活がある。
朝晩のコエカケはしくれるけど、介護にはかかわっていない。
夫はまったく関わっていない。

生かされていることに感謝しているけれど、
生きることのサポートの介護って、
家族のなかで自然に受け入れられればいいのだけど、
やっぱり難しい。
どこかでだれか犠牲になり、どこかでだれかに迷惑をかけている。

それぞれの家族のかたちのなかで介護生活がある。
なんだか、田舎の大家族がうらやましい、このごろだ。
by ygracia | 2005-10-02 09:57 | 雑感