父のために

母がかなり様子がちがう。
パジャマを着替えることもできなくなった。
ものの区別がつかない。
おかずの皿をお茶だといって、すする。
何もはいっていないのに。
「お茶ものんでないし、薬もわすれてるよ」
というと、あわてて残りのご飯をかきこんだ。
「お茶は?」
「薬は?」
「のんだよ」

おっきな悲しみがひろがってきたんだけど、
いっしょに食事をしていた父が私の手をやさしくタッピングしてくれる。
まるで「心配するな」といってるようだった。

12月の有料老人ホームはやはり、永久利用権を考えてもらいたいということだった。
夫と電話で相談。
「どうしよう。おかあさんが90までは生きるとして、そのころ
入院とかなったら、お父さんの貯金はたりなくなって、
あなたに支払ってもらうようになるかもしれないし・・・」
「おかあさんが90になったら、君いくつよ、先のことなんかいいから
今を考えたら?」
自分の年齢と家族のことを考えて何が今必要か。
私がいちばん安心して介護が続けられる状態は?

1時間で答えはでてしまった。
利用権を支払って、私の体調に合わせていつでもあづけられる
ところを確保しようという結論。
あたらしいところを調べる気力も時間もない。
出会いを信じてお願いすることにした。
まったく、変な質問ばかりしたのに、担当のTさんはきちんと
答えてくれた。
「たとえば、A介護長が転勤になったら、Aさんのいるとこに
お願いすることできますか?」
「お部屋さえあいていればできます」

どちらにしても父は状態を把握してもらうのは難しいこと
環境の変化には弱いことなどから、いままでのショートを利用していく。
母のショートはこのホームで利用していくことになる。
長期もできる。長期のときは介護保険の利用になる。
母の意志には反するけれど、私の鬼顔をみているよりずっと快適だろう。
それに身体も精神も衛生面で心配もない。
いま、父のことも母のこともすべて中途半端な世話しかできていない。
母の長期預け先があれば父の世話も集中してできる。
友にも言われた。
ちょこちょこあっちだこっちだと動かされるより、
安心してゆっくりできるところに行かされる方がおかあさんも安心するわよって。
父のためにも母のためにも私のためにも家族のためにも
いまはこれがいちばん安心できることだ。


ケアマネさんに報告。

気分転換でこどもたちにひさしぶりにおいしいものを作った。
「うめえ~~~」
「ね、ね、ひさしぶりよね、お母さんの料理~」
娘と息子のことばに疲れもふっとんだ。

そういえば、このごろすっと、なんだか、カレーとシチューと
さぼてんのとんかつと、おすしと、でなけりゃ
おじいちゃんたちにたべさせる、大根料理や豆腐料理ばっかりだったような~~~



b0055939_557911.jpg

by ygracia | 2005-11-10 05:37 | 今日のお話

老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
プロフィールを見る