母と。

今日はどうにもこうにも母の通院で手一杯。
母も目を離す事ができないことに気がつき、父の病院に電話。
今日はいけるかどうかわからないと伝えると、むこうから
父の様子、熱もさがったこと、お風呂はやめたこと、
14frのカテーテル、用意したこと。
つぎつぎと報告が出た。
今日は彼らを信じるしかない。

朝、母にお化粧。
「おかあさん、おしろいぐらい、はたけないの?
顔色悪いから」
「そうだね、でもめんどうだよ」
「すこしはしたら、、昔はいつもしてたでしょ」
「そうね、でも何にもないから」
と、うれしそうに口紅のついた唇をまっまとあわせた。

母は午前中整形外科へ。
これが先生がかわってしまっていた。
おまけに、まったのなんのって、予約時間から2時間経過してた。。
こんなに待ったのは初めて。
母はめずらしく、おとなしくしてたが、私があと6人と適当に答えてたら
しっかり人数数えてたのか、6人はいったから、さ、行こうと車いすを動かした。
まだまだと言ったら、ちょっと怒ってた。

今回は娘なのか姪なのかどっちかわからなくてだまってたのだが、
迎えにいった車にのったとたん、
「ばーちゃんは死んだのかね」
「うん、もう死んだ」と答えた。
「そうか、しらなかった」

孫である娘が、「だ〜〜れだ?」
「りょうこでしょ、」
「わかる?」
「りょうこがわからなくてどうするのさ」
「じゃ、この人は?」と私をさす。
「わからない」と母は笑って答える。
ふざけてるのかナと思ったけど、やっぱり変。

いったん、戻って、午後にまた内科へ。
風が強くて私の髪が乱れて、母をそれを注意。
「あれ、もってないの?」
「くし?」
「うん、くし」
「もってない。」
「だめでしょ、ひどいから」と言う。
とつぜん、「飴ちょうだい」
[これから検査だからだめよ」
「帰るときに飴をいっぱい持って帰る」
「おかあさんは糖尿だから、飴は1日1個。Zさんに預けてあるの」
「私はもらってない、だれ?」
「Zさん、私くらいの人」
「あ〜。あの人、ゆみこが私の娘だっていうのよ」
と言って、母はうれしそうに笑う。
おもわず、「じゃ、わたしはだ〜れ?」
「ゆみこは姪」
「誰の子供?」
「ばーちゃんのこどもだよ」
なんだか、おかしくなって、笑ってしまった。
悲しくなくて、おかしくて笑った。
母も笑った。

そのあと、
「私はどこにかえるの?」
「うちよ、お母さんの家でしょ、」
「ゆみこのいるところ?」
「そうよ」
「あそこ、あそこ、私の住んでるところはいやだね。
みんながいるところにはかえりたくない、うちにかえりたい、
おかあさんはいつ、うちにかえれるの?」
「かえれるよ、すぐ」

エレベーターのなかで突然、
「お金だいじょうぶ?」
「なに?」
「おかあさん、お金どうしたか、わからない」
「だいじょうぶよ、ちゃんと預かってるから」
「お母さんのお金、ゆみこ使っていいんだからね」
「うん、わかった」

帰り、雨が降ってて、インフルエンザの予防接種をしたばかりの母を
具合悪くさせてはと、コンビ二で傘を買い、車いすを飛ばして、
超特急で帰宅、私はずぶぬれ。
母は傘はいらないから、いそいでいけばいいからという。
走る車いすから母が叫ぶ。
「ゆみこ、なにかかぶってるかい?ぬれてないかい?」
「だいじょうぶだよ」
私は重くなったカーディガンを感じながら
車いすの赤い取手を握り直した。
涙も雨も心地よかった。
by ygracia | 2006-10-24 23:55 | 今日のお話


<< 報告 病院 >>