母との会話

先月は父の事が重なり、母は告別式のみやってきた。
ひさしぶりでホームにいくと、顔見知りがほとんどいない。
介護長と相談員も受付も公休だったから。
それでもいままでなら顔見知りの介護士たちがいたのに、
知らないうちに、みなやめたのか、移ったのか新顔ばかりで
息子ぐらいの年齢の男の子たちが飛んであるいていた。
ここのホームはおばあちゃんばかりだから女性介護士のほうがいいんだけど、
訓練生はここに集まるのだろうか。

母はすこぶる元気。
動きも滑舌もいい。

「全部済んだの?」
「。。。」
「そうしき」
「うん」

それから北海道の姪たちの話をしたがあまり関心を示さなかった。

「ばばちゃんは死んだのかい?」(車に乗ると必ず聞く。私を姪を思っているから)
「おかあさんはいくつ?」
「。。。。八十といくつかだ。。。」
「83歳だよ、じゃ、ばばちゃんはいくつになるの?」(いじわるな私だ)
「そうか、死んじゃったね。ふ〜〜〜(大きなため息)

いままでなんでばばちゃんのことが気になるのかわからなかったのだが、
今度の父のことで、北海道のいとこたちといっぱい話して、母の話の
脈絡がつながって来た。

母は東京に勉強にでてくるときに、かわいがっていた黒猫を長姉の姑で
ある「ばばちゃん」に預けたのだそうだ。
ばばちゃんはその黒猫を大事にしてくれたのだという。

「わたしはいつ家に帰れるの?」
「まだね、おとうさんの相続の事なんかで忙しいからもうすこし、
ホームにいてね。」
「財産なんか私ないわよ」
「お母さんと私がお父さんのを分けるの、何も無いけど。」
「何も無くても書類がいるんだね」
「お母さんが居ないと困る手続きもあるのよ」
「いつでもお呼びください」
「。。。。」

病院のN先生が母に聞く
「ご主人の分まで長生きしないとね」
「はいはい」
「ご兄弟は何人ですか?」
「五人です」

帰り際もきちんとあいさつし、笑顔の絶えない母だった。
元気で笑える事に感謝だ。
去年はうちにいて、母娘で鬼の形相だったのだもの。

母にまた嘘をついた。
帰れるのという問いにもうすぐねと答えた。
先はまだ見えてないのに。
「わ〜〜良かった、それが一番うれしいのよ」
なんだかこころがズキズキしたけれど、今はこう言うしかできない。。。
父の声が聞こえた。
「そりゃ、なんたってうちが一番いいに決まってるよ」

私もげんきんなもので、いままで父に向けられていた感性は
すぐに母の環境に方向を変えた。
部屋にはいると、いままでしなかった、尿のにおい。
母のズボンからもかすかににおう。

入れ歯ケースが黒カビで汚れていた。
こんな事始めてた。

明日は介護長に報告だ。

私はF介護長とZ相談員のおふたりを信じているので、この方達が
いなくなることになったら、母は家に連れて帰る。

今日の夕飯は母とふたりで食べた。
糖尿病のレトルトはやめて、ふたりで野菜たっぷりおつゆと柔らかご飯、
みずなと油揚のごま油炒め。粕漬けの魚を焼いたのに、インスリンを
打っているちょっとのあいだに、まっくろこげ、しかたなく食べれそうなところだけ
ほぐして、二人で食べた。
いい気持ち。。。。。
by ygracia | 2006-12-19 20:44 | 今日のお話


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