また母のこと

書類をかかえて、また母のところへいくと、
うすぐらい部屋のなかでベットにころがり、なにやら瞑想している。
私が電気をつけると、驚いたようにおきあがり、
悲壮な顔で言った。
「今、帰るの?(家に)」
母は急いで起き上がり、靴をさがしている。
「おかあさん、またサインを一杯してもらわなくちゃならないの」

母はひとりで家に帰れる楽しさをしゃべっている。
私の話は聞こえない。
自分で車いすにうつり、私が書類をだしたところで
「退院するのに、こんなに書類がいるの?まったくめんどうね。」
自分の退去のための書類と思い込んでいる。

なんとかなだめた。
テレビもつけて、カーテンも明けた。
毎日、カーテンもしめて、薄暗い中で時間をやりすごしているのだ。
PTの先生が「うすぐらいほうが、きっとこころが落ち着くんでしょうね」という。
母の足は思った以上によく動き、PTにいわれるままに腹筋運動までできる。
びっくりした。
でも娘にいわせると、無意識の運動だからもしかすると動いている
ことを認識していないかもしれないって。
母の饒舌は感情のないものだった。
「先生、ふとってますね」と突然言う。
「そうですよ」と先生。
「やせたほうがいいですよ」
「なかなかやせられないですね」
感情のない強い一本調子の母の声につらくなる。

役所までいったりきたり。
母を連れていくほうが手続きははやくすむが、想像しただけで
具合悪くなる。
ホームのスタッフもやめたほうがいいという。
毎日、行ったり来たり。

今日も私は「姪のゆみこ」だった。
母が昨夜見たという、「ゆみこの夢」って、姪だったのか、娘だったのか。。
母は帰る事をだたひたすら願っている。
私はまだ準備ができていない。こころもからだも。。。。
by ygracia | 2007-02-08 08:06 | 今日のお話


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