母帰宅

ホームで久しぶりに見た母はやっぱり小さく感じた。
私よりも娘のほうに反応していた。

車のなかでは、お決まりのおやつ、「バニラ棒」を食べ、
お茶を飲み、遠足気分。
耳は遠いはずなのに、私と娘の会話を聞いていて、
「あめ?あめちょうだい」
「私にも飲み物ちょうだい」
とにぎやか。
最初は、いつもの「ぽーばちゃん(甥や姪にそう呼ばれている)」と
自分の事を言って、「ぽーばちゃんにもちょうだい」

ところが突然、
「ゆみこ、おかあさんはなんで、あんな中途半端なところにいるの?」
と質問してきた。
ホームのことを言っているのだが、そのあとの質問は続かない。
「お父さんがね、具合悪くなって、お母さんとふたりをお世話できなくなったから、
元気なお母さんをお願いしたの」
「そうか、お父さん逝っちゃったね〜〜」

今回は私はいつホームに帰って、あとはいつ家に帰れるか。
帰れなくなる、帰れなくならない、帰れる、帰るのことばが
次々と飛び出す。
一生帰れなくなることがあるのかと聞かれ、「そんなことない」と
答えたのに、母は「え、帰れないって?そんな、そんな」
とパニックになりそうだったので、あわてて、うちに戻るに決まってるでしょと
言うと、
「あ〜〜よかった」

私がまず体調を整えなくてはならないこと、
何回も話したけれど、それはわかっているらしい。

母の脳はポコンポコンと活動しているみたい。
しっかり分かるけれど、失語症の一部なのかことばがでてこない。
それでも3年前よりずっと元気で、健康だし、よくしゃべる。

ホームをいやだというけれど、それなりに過ごしている。
孫のようなヘルパーさんとにこにこ過ごしている。

内科の先生に聞かれて母はしっかり答える。
「おうちがいい」って。

私の体調が整うまでお母さんがんばってねと言うと、
「わかってるよ」
と母の顔で答えた。
by ygracia | 2007-04-24 21:11 | 今日のお話

老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


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