介護職の人へ

在宅で限界を感じ始めて家族が頼れるとこというのは老人向け施設であるけれど、これがなかなか家族の願いと一致するところが少ない。
都心は賃貸にしろ新建設にしろ、土地もなければ、経費もかかるから数も限られてくる。
ウイークリーマンションを借りての経営なんていうのも存在するのだ。
営利目的はどっちにしても一番だろうし、規定最低限の人数でやっているわけだ。

介護職を真剣に目指してやってくる若者もまだいる。
しかし雇う側は資格がない大人をパートで雇い、即戦力として使う。
若者は面接の段階から、ことば使い、礼儀もろもろ教えなくてはならなくて
即戦力にならないからだ。
そして、この真剣に介護の仕事をしたい若者は心やさしくて、
お年寄りにはとても純粋に接して、持って生まれた感で、接しているから
お年寄りは心地よく感じている。
でも施設としては、ほかにも仕事があるわけで若者には早く大人になって
もらいたいのだ。
パートのおばさんたちは経験から覚えた対応で、お年寄りが認知症であろうが、
なかろうが取って鍛えた杵柄でなんなくこなし、ちょっとトラブルあると、
しかたない、年寄りだからということになる。
ストレスのやり場に困って、車いすを乱暴に扱ってしまうこともあるだろう。
ヘルパー2級の講習で覚えたことはある程度役にたち、それ以上の
向学心があるかないかは本人次第というところなんだろう。

人にはそれぞれ置かれた位置と範囲で自分の使命を果たすようになされている
と思っている。だから人と人が支え合って生きていくわけだ。。

先日母のケアマネとゆっくり話した。
施設では施設長と相談員と担当介護士と話すだけだったので
この方は初めて。
でも施設の裏方の立場としてまとめているのは伝わった。
ただ家族というのは、わかってくれたという錯覚から安心しきって
話してしまうけれど、介護職側は全部を理解しているわけではない。
ここでまた詳しい説明を執拗にしてしまう自分に多少嫌悪感を持った。

母は相変わらずマイペースで、居室がいちばんらしい。
レクにもでるけれど、お伺いをしないて、連れて行っちゃってくださいと
お願いした。
行けば楽しくやるのだから。
母は行動的な人間だった。向学心も人一倍強かった。
習い事はかならず、師範まで行き、その後は研究し、
お茶(裏千家)とお花(華道表現派)はうちで教えた。
洋裁が大好きで母の前にはいつも裁縫箱があった。
父の背広も孫息子のタキシードも縫った。
網膜剥離をやってからも縫い続けた。

そんな話をしていたら、ケアマネがやっぱりお家の中に静かにいるほうが
お好きなんでしょうというのだ。
母は外出が大好きだったし、今もデイとかじゃなければお出かけが好き。
先日もサファリパークに連れて行ってもらってこれは忘れていない。
ここから、また母の人柄を一口で伝えるのが難しいとつくづく思った。

歌を歌い続けるおばあちゃん、
こんにちは〜と言うと、歌いながらにっこりして、こんにちは〜〜と答えてくれる。
きちっとした身なりで毅然とした学校の先生のようなおばあちゃん、
こんにちは〜〜というときちんと会釈して、はい、こんにちはと言ってくれる。
仕切り屋のおばあちゃん、わたしを見て、「ほらほらあの人の娘さんね、
来たわよ、教えてあげないと」とひとり気を使っている。

みんなどんな思いでいるんだろう。

お年寄りを大事に思ってお仕事されていると信じているけれど
介護職の人びとがもう一歩前進してくれることで
介護家族はもっと安心できるのだ。
学ぶことも必要だし、技術も必要。
認知症ケア専門士ももっと必要だと思っている。

経験からだけで判断するのではなく、研究心も持ち続けてほしい。
ただし、介護家族に負けまいとして専門用語をふりまわすのだけはやめて
もらいたいけれど。。。
介護家族は経験から学んだ物で裏打ちされているから妙な自信も
あるし、それが全てではないとわかってるけど、ついつい
全てであるかのように自信をもってしまうから、
経験がすべてではありませんと、毅然とした態度の取れる介護職で
あってくれると頼りたいと思うかも。。。

どちらにしてもやっぱり人間性、穏やかでたおやかで平和で、その中に
裏付けされた強さがある人間、迷いもあるだろうけれど、
一生懸命が伝われば、家族も安心できるんだから。
自分が一番と思っていても、それも自分の経験や習癖から生まれて来たもので
けっしてそれがすべてではない。

理想ばっかり言ってしまうが、今介護職についた若者たち、
お仕事はすばらしいものです、いい先輩を見つけて、
いろんな事学んでほしい、お年寄りも宝の宝庫です、
精気を吸い取られるかもしれないけど?若さで乗り切って
お仕事続けてほしい。がんばって。
by ygracia | 2007-05-04 12:09 | 介護に思う


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