とまどい

母が笑わなくなった。
まだ食事も水も許可にならない。
記憶の混同も起きている。
手術も記憶にないという。
食事が遅いといって待っていた。
少し、いたけどやることもなく困った。
母もいる必要がないから早く帰りなさいといった。
孫の名前も思い出せない、消化器内科の野津先生の名も忘れた。
見舞いに来てくれた私の友のことも覚えていない。
ま、つらかったことを忘れたのはよかったけど。

息子は医学部をめざして浪人中。
何年かかるかわからないが、彼なりの目標に、彼なりにがんばっている。
このごろ、とても客観的でその理論もなぜか筋が通っているので困る。
父の様子にあたふたする私に「おじいちゃんは老衰なんだよ、
肌もうすくなってきている、おじいちゃんなりにがんばっているんだよ、etc.」
確かにいわれればそのとおりなんだけど、私の気持ちはそれじゃ治まらない。
「あなたたちには、わからないのよ、自分の親がどんどん変わっていくって
たまらなく、つらいことなんだから、おかあさんにとってはね」
「だから、ぼくは第3者として意見を言ってるんだよ」
「おかあさんはかりかりしすぎだよ」

父はきょうはテレビを見て、わらったり、ドリルをしたり
自分で楽しく過ごしていた。
お風呂にはいるころから、よだれがでて、動かなくなっていった。
ベッドにたおれるようにはいり、すぐうとうと、
「おとうさん、ねむくてボーっとなるの?」
「そのとおりだ、ははは」
すぐに寝入ってしまった。

びまん性レビー小体型痴呆。
父のどこが痴呆なんだろう。
計算ドリル、まちがいはひとつもなかった。
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by ygracia | 2004-11-13 02:01 | 今日のお話


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