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老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
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いつかは

7日、午後3時。12才のしまこ(男の子)が亡くなった。
この子もうちの庭で生まれた子。
子猫のときに兄妹2匹を家に入れたのだが、いろいろあって、リリースするしかなかった。それから数ヶ月後に兄だけ保護。妹は見当たらなかった。。
そんなこともあり、人間不信だったかもしれない。
家に入り、一緒に保護したうしくんと仲良くして去勢手術も受けられたのだが、
病院で何があったのか、帰ってきたら極度の人間嫌いに。。
私が動くとすぐ隠れてしまう。
家庭内野良猫だ、と決めつけてしまった私。。
だけど、ときどき現れてはらんちゃんやうしくん、ルーと仲良くしていた。
病院にはその後一回しか行かれなかった。
そして12年目にはいり、顔をみると、あごが膨らんでいる。
なんとかおっかけて捕まえて、さわってみると嫌な予感。
数年前にこのしまこの母親を最期のときに保護して家で看取った。
彼女は口腔内にできた腫瘍で闘病していた。
しまこ、4月に病院にかかり、週1回の通院。検査もせず、手術もやめた。
腫瘍ができた子はこれで3回目。それぞれの生き方を見てきた。
なのでしまこにはやっぱり自由に過ごしてもらうことを決心した。
有機ゲルマニウム(前の子たちに非常に効果があった、痛みを生まない、だるさなどを軽減している、ガンの成長を少し抑えるなど)と消炎剤、抗生剤の注射と服薬のみの治療とした。
最初はおっかけまわしてなんとかキャリーに入れた。
ある日、うしくんがやってきて、追いかけまわされるしまこに噛み付いた。
何かを諭すように。
するとすぐにしまこは静かになり、抱き上げてキャリーへ。
その日以来、「病院でみてもらおうね、お薬もらおうね」というと静かになった。

状況は、落ち着いていてた。
あごの骨の外側に広がった腫瘍、だんだん、少しづつ大きくなってはいたが
食事形態も変えながらしまこの好きなようにさせていた。

熱を持つ腫瘍を冷やすためか、玄関の石の上で寝ている。
玄関での感染も怖いので、家人たちには玄関の使用を一部に禁止し、
靴は手前で脱ぐ、玄関を毎日掃除、除菌。
しかし、人の気配がするとすぐ逃げるしまこ。
落ち着けるはずがない。

居間にも来なくなった。
ケージを用意したが、入らない。
一度軟禁したら、大暴れ。
腫瘍を怪我することが怖いので、あきらめた。

好きな場所が古い洗濯機の下。
暗くて涼しいからか。
しまこがいないときに大掃除したりした。

9月半ばになり、動きが鈍く、食欲が一気にへって、体重も減ってきた。
1階のケージに寝かせてみた。
静かにしている。ドアは開けっ放しにして自由にさせたがあまり動かない。
10月2日、診察。
補液もして、その日はからだも楽そうだった。
3日、呼吸の乱れが見えた。
私が用事で留守にするので、娘に会社を休んでもらった。
自分で2階に行き、うしくんたちと挨拶。
いつものご飯の場所で、娘にご飯を催促。
好物を出したが、食べることはできなかったそうだ。
階段を降りようとする前で倒れる。
しばらく休んで自分で階段を降り、ケージに戻ったという。

私が帰宅して、ケージに手を入れるとゴロゴロ言っている。
今まで薬を飲ませる時も病院に行く時も私を怖がっていたのに、
ゴロゴロ言っている。
撫でまくってあげた。

でも病気になってから、「お薬飲むよ〜」っていうと、ちゃんと決まった場所に
入って待っていたしまこ。

5日から呼吸の苦しさが目立つ。
縦になっても横になってもすぐ苦しくなるので眠れないようだ。
すこし体を支えてあげたり、娘がたくさん作った猫枕をしまこ自身が
うまく使って呼吸を整えている。

猫には良くないと言われるアロマも使った。
前の猫たちの時も、医師の考えも聞き、使った。
今回はイランイラン。
フラワーエッセンスは「イルカ」を選んだ。
しまこの小さい時のトラウマなどを考慮した。
アロマもフラワーエッセンスも闘病中はほんとに効果があった。
しまこの気持ちが落ち着いていくのを感じた。

7日朝から、苦しそうで、眠ることができないでいるしまこ。
なんども体を支えて起こしてあげた、そのまま顔が落ち込んでくるので
猫枕で支える。

あぶないかもしれないという時間がやってきて、しまこを支えながら
声をかけると返事をする、尻尾をわずかに震わせる。
私のほうが確認するためになんども呼んでたら、最期は振り絞るように
きれいなしまこの声で鳴いてくれた。実は腫瘍が大きくなってきて
声帯を圧迫してるようで、最近はダミ声になっていたのだ。

しまこが自分で楽な体勢を見つけて、ほっとしたように眠りだした。
1時間半くらいは寝ただろうか。
私も安心した。
しかし、目覚めたとたん、また呼吸の苦しみが始まる。
体を支えるために腕を貸したり、いろいろしていたが、ちょっと落ち着いたので、
私はトイレへ。
すぐ来るからね。
トイレからダッシュで戻るとケージにぶつかりまくっていたしまこ。
すぐ抱き上げたが失禁。
呼吸が止まった。
すぐ、腕を持ち上げたり、胸を軽く叩いたり。。
ガスがなんどか出てきたので生き返ったと思ったが、、それは
呼吸できていなかった、、あかし。。のガス。。

心臓はしずかに止まった。。

いつもの霊園で葬儀をお願いした。
お骨がやっぱり若い。
足の長いしまこ。。

しまこがうちに来た時、私は父の介護がいちばん大変だったときで、
気持ちを向けてあげることができなかったのかもしれない。
もっともっと、人から愛されることを教えてあげなければいけなかったと
心から思った。
私の代わりに、トラやうしやらんちゃんが世話してはくれてたけど、
もっと体のことも気をつけてあげなくちゃいけなかった。。

大好きだったらんちゃんのとなりに並んだしまこ。
きっとゴロゴロいってこっつんこっつんしてるだろうなあ。

しまこ、ほんとにありがとう。

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by ygracia | 2017-10-11 15:10 | 気まぐれなお話