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老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
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父入院中9

19日の日記。

今朝は起きれなかった。
誰かかわりに病院へいって・・・・とおもっても
行ってくれる人がいるわけでもなく、泥のようにというか
もともと重たいからだをせ~ので起こして、ため息と
ともに1日を開始した。

家の片付けをざっとやって、父の昼食に間に合うように
でかける。
いつものように、ベルトで固定されている父の格闘のあとが
たまらない。
脱いだ靴下が、あっちとこっちに飛び、テレビのリモコンを
取ろうとしたのが取れなくて床に落ち、
平らにされたベットが苦しくて、必死で枕を首の下に押し込んでいる。
つかむ力とか(ほんとは握力すごい)、距離の感覚とか鈍いから
自分の意志と体の動作がうまくかみ合わないのだ。
だから何もできないでいる。

目じりににじんだ涙をみると、やっぱりたまらない。
早く退院させたいと思う。
たぶん、あと数日の辛抱だと思うんだけど。

今日は父はいい子で、素直だった。
アイスを買って、公園で食べた。
帰ってきてから、いつもなら寝てしまうのに、寝ない。
私も疲れてるので、ぼーっとテレビを見てた。
そしたら、突然。
「しりとり」
「??」
「しりとり」
「え~~しりとり?」
「しりとり」
びっくりした。
父から遊ぼうといわれたのだ。

かれた声で、めがね、ねこ、こま、まり、りす、すみれ・・・
とか、やってたら、「み」で父の番。
ここで止まったので「おとうさん、飲むものであるでしょ~」
「・・・・・」
「のみものよ」(私はみずのつもり)
「ビール」
「・・・・」
しかたないので「る」で続けた。

実はこのしりとりの前、くもんの認知症高齢者のためのドリルというのを
ちょっとだけ開いてみたのだ。
大きな字で「あり」「うし」とか書いてあって、
ちょっとした記憶力とことばのリズムを使う頭の訓練。
これをやってたら、父がドリルの表紙を見てしまい、
すぐ私がしまったのだ。
このドリルのリズムで「しりとり」と言ったのかもしれないし、
ほんとに、父の意志かもしれないし・・・わからん。

おとなりの病室はほんとににぎやかでうらやましい。
おじいさんが入院されて、奥さんと娘がいっぱいで
その家族、婿や孫やいろいろ訪れる。
そしてみなさん、大きな声で話す。
「あら、おとうさん、なに、うんちでたの?」
「あら、たいへん、」
「あ~看護婦さん、呼ぶ?」
「あら、私がやるわ」
「あら、そう」

父とふたりでその会話を聞いていて、
「にぎやかね~」というと、
父が「ははは」とわらった。

向かいの病室は重篤な方の部屋。
にぎやかな会話が始まるとドアを閉める。
そりゃそうだ。
でもこのにぎやか家族は何にも気がついていない。
しあわせだ。
私も子供の頃を思い出した。
父は12人兄弟だったので、とにかく大一族だった。
伯父や伯母や、祖母やその兄弟が具合が悪くなると
一斉に集結した。
だいたい3日間は父母の顔をみることもなく、従妹たちの中に
いつもいたっけ。
その親戚ももうほとんど、いなくなり、父の妹と電話連絡するのみだ。

帰宅して、夫(海外出張から帰ったばかり)と娘と
地元の居酒屋へいった。
チェーン店らしいんだけど、とにかく、お料理がおいしかった。
かんぱちの焼霜なんとか、豚の角煮、秋野菜のてんぷら・・・
とにかくいっぱい食べた。
お腹が苦しくて、そっくりかえったまま、帰ってきた・・・
ふとった・・・・・
by ygracia | 2005-09-20 07:01 | 今日のお話