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老いた父と母と-いつまでもあなたがたの一人娘でいたい~


by ygracia
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介護技術

都合でヨガをお休みしたら、体調が番狂わせ。
自分でヨガで集中するものの、眠れない。
来週からまた体調調整をしなければならない。

眠れない中、ネットサーフィンをして気がついた。
介護の世界もずいぶん変化して来ている。
介護日記も若い世代が目立つ。
レビーの診断を受けた介護家族、すでに情報を得ている人が多い。
すごい進歩だ。
また思うところがあってGHを作ってしまった人のブログとか、
介護職の若者のブログとか。
遠慮しないものもあって面白い。

団塊の世代が要介護者になる時期ももう目の前に来ている。
戦後の新しい教育のもとでそだった人間、自分の意志も、意見も
はっきりと持ち、情操面でも自由を味わいながら生きてきた世代。
確実に今とはだいぶちがう質の高くなる介護が要求されてくるだろう。
人間の尊厳の確保は当然であり、それ以上の質を提供するためには
やはり、新しい技術や知識が必要になってくる。

ホームヘルパー2級講座も「介護職員基礎研修」という名で今年から
質の高いものへ移行したと思ったら、今年3月発表の法律案で
これは含まれず、介護福祉士を受験する資格はもっと実務3年以上
、2年以上の養成施設卒、さらになんだかわからないけど、
それ以上に600時間の養成課程も課せられるようになるらしい。
介護職員基礎研修は存在するけれどその先に進む人への
メリットはないようだ。
せっかく新しい知識を得るため、レベルアップのための
開かれたルートだと思われたのに、残念なことだと思う。
これではますます介護職につく人は少なくなる。
だいたい、国の考える事はいきあたりばったりみたいで
おかしい。
ともかくヘルパー2級はしばらくは廃止されないだろう。
そんななかで、すこしでもレベルアップしてもらいたいと思う。

介護技術や介護理念がどんどん進む中、このごろ良く聞くことば。
「バリデーション」

私たち家族は自然に身につけていたかもしれないけれど、
ここでおさらい。

私も母が脳梗塞のあと、認知症を発症し、数日で母が別の人になってしまったとき、
この悲しみは口では言えなかったし、心の傷も深かった。
話はできる母と対峙して、母ではない母を母に戻そうとやっきになった。
たたきあったり、けんかしたり、鬼娘と怒鳴られながら、涙が乾く暇もなかった。

父は徐々に進行していったこと、またレビー小体という奇妙な病気だったから
父の人格と存在を感じながらあわてふためきながらも私の辛さは
母と面しているときとはまったく違った。

母に愛された分、母の変化を受け入れられなかった。
今も多少。。。

こういうなかで自然に出来てくる心の交わし方、躱し方、がある。

これが「バリデーション」だったわけだ。

母の気持ちに共感し、寄り添い、受け止めながら、心を通わせるということ。
こちらの都合や、筋をおしつけなければ、母と平和でいられる。

☆方法
○相手の動きや感情に合わせる
○過去に一緒に戻る
○本人の言うことを繰り返す
○事実に基づいた言葉を使う
○反対のことを想像する
○目をみる
○ときにはあいまいな表現を使う
○はっきりとした低い優しい声で話す
○満たされていない欲求に目を向ける
○好きな感覚を用いる
○ふれる
○音楽を使う

在宅なら家族は自然にこれができるようになるけれど、もし仕事だったら、
この方法に、もっと精神の集中と、話し方、声のトーンとかいろいろ
加わってくると思う。また介護される人の人生もかかわってくるし。
情報収集も必要になってくる。

介護職の人たちのブログなんかにも、アイコンタクト、リフレージングとか
レミニシングとか、バリードしたとか、出てくるようになってるけど、
心から理解して使ってほしい。

母が父の遺影を指して、言った。
「ゆみこ、お父さんの写真、黒いリボン外しなさい、いつまでもかわいそうでしょ」

母が母だった。
by ygracia | 2007-05-06 18:07 | 介護に思う